2.インターネットでマルチメディア・データ会議(TV会議)・共同作業
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専門:H.323とT.120のプロトコルスタック

 いままで、NetMeetingの操作を中心に説明してきましたが、ここでは、少し内部がどのうような構成になっているて、それがITU-Tのどのような勧告なのか簡単に説明していきます。

H.323の端末プロトコルスタック

 H.323は後で説明するゲートキーパーやMCU等を広く定義しています。ここでは下図にH323端末のプロトコルスタックについて示しました。


リソースキット P158より

機能区分 ITU-T勧告 機能概要
フレーミング H.255 ・RTP/RTCPで映像・音声のデータりパケット化と転送の管理を行います。
・Q.391はH320と接続する場合の呼制御を行います。
コール制御 H.255 ・H.323同士が通信する場合の呼制御を行います。
H.225 ・ゲートキーパーを使用して通信する場合の呼制御を行います。
H.245 ・通信時、お互いの端末能力を交換し、通信方式のネゴシエーションを行います。
コーディック G.7xx ・音声の符号化、再符号化をします。
H.26x ・映像の符号化、再符号化をします。

T.120のプロトコルスタック
 基本構造部とその上にあるアプリケーションに分かれます。アプリケーションについては、チャット,ホワイトボードなどのITU-Tの標準のものがありますが、ユーザ独自に基本構造部の上に構築することも可能です。
いままで、説明してきたように、基本構造部にはデータ会議のMCUの機能を含んでいます。


リソースキット P149より

機能区分 ITU-T 機能概要
基本構造部 T.123 ・T.120全体の構成について規定しています。
T.122/125 ・複数の端末が矛盾無くデータ会議ができるようにするためのプロトコルです。
T.124 ・ドメインと呼ばれる仮想的な多地点の通信空間を管理します。
T.121 ・アプリケーションに対してデータ会議のインターフェースを提供しています。
ITU-T標準
アプリケーション
T.126 ・ホワイトボードの機能です。
T.127 ・ファイル転送の機能です。
T.128 ・プログラム共有の機能です。
T.134 ・チャットの機能です。
ユーザ
アプリケーション
独自 ・通常、T.121のインターフェースにより作られた、ユーザ独自のプログラムです。

NetMeeting3.0のアーキテクチャー
 下図にNetMeeting3.0のアーキテクチャーを示しました。このページで説明したH.323とT.120の機能を組み込んでいます。
・相手を名前で探すためのLDAPクライアントの機能を含んでいます。(次のページで説明)
・ユーザがH323やT.120の機能を利用してプログラムを開発するためのActiveXとCOMインターフェースを提供しています。
・尚、T.123にはX224にもとずくセキュリティ機能が組み込まれているため、データ会議については暗号化することができます。